日本の地理(にっぽんのちり)では、日本国の地理についての概略を記す。
日本は、アジア(ユーラシア大陸)の東方に位置する島国で、4つの大きな島とその他の島嶼からなる。4つの大きな島は北から北海道、本州、四国、九州と順に並んでいて、これを日本本土と言っている。いずれも島とは付かない。
※これらの島々の成り立ちについては日本列島および島弧を参照のこと。
なお日本の地理学ではこれら4つの大きな島を島という概念から除外して議論する慣習となっている。したがって、単に「日本で一番大きな島」と言った場合は本州でなく択捉島あるいは沖縄本島などを挙げるのが一般的である(世界的には本州が「日本で一番大きな島」である)。
日本は島国であるとともに国土の約73%を山地が占める山国でもある。そのため日本の河川は流路延長に比し川床勾配が急で一気に流れ下る。大陸を流れる川と比べたら滝のようなものである。しかも多雨地帯にある。したがって侵食力が強く山地では深いV字谷を、盆地や平野など山地からの出口には扇状地を発達させていることが多い。また河口付近には厚い堆積層からなる平野を形成している。中部地方から東北地方にかけては河岸段丘を発達させていることが多い。
世界的な地理学はヨーロッパ大陸やアメリカ大陸などを模式地として研究が進められてきた。そのため日本の実情と合わないこともある。たとえば台地もそのひとつである。日本で言う台地は扇状地や浅い海底が隆起したものであって洪積台地と分類されるものが大半を占めている。この詳細は台地を参照のこと。
日本周辺の海はひとつに繋がっているが、東側および南側が太平洋(ただし、日本ではほとんど用いないが、小笠原諸島以西の太平洋はフィリピン海と呼ぶのが世界的には普通である。)、北西側が日本海、西側が東シナ海、北東側がオホーツク海と呼ばれている。本州と四国の間の海は特に瀬戸内海と呼ばれており、多数の島々が点在する。海流について見てみると、日本列島の南側を黒潮(日本海流)と呼ばれる暖かい海流が流れている。北からやってくる親潮(千島海流)と三陸沖から常磐沖でぶつかって好漁場をつくっている。一方、黒潮の分流である対馬海流が対馬海峡から日本海に流れ込んでいる。
日本の気候は、列島の中央を縦走する山岳地帯を境に太平洋に面している地域と日本海に面している地域とで大きく異なる。北海道と本州の高原地帯が亜寒帯、南方諸島の一部は熱帯、それ以外の地域は温帯に属しているが、南北で気温差が大きい。
冬は、冷たい北西季節風が強く、日本海側は雪が多い。一方の太平洋側は、晴天に恵まれて空気の乾いた状態が続く。 気温の変化は次第に北上していき、冬から春、春から夏へと移り変わる。 長雨の時期である梅雨の後、晴れが多く高温多湿の夏を迎える。8月後半の残暑と入れ替わりに、秋雨と台風の季節を迎える。
※社会的な日本の区分や、生活に関する地域分類については、日本の地域を参照のこと。
[編集] 位置
アジア(ユーラシア大陸)の東方(欧米から見れば極東)にある4つの弧状列島(千島列島、日本列島、琉球列島、伊豆・小笠原諸島)から成り立っていて、太平洋の西部にある島国である。日本海を挟んでロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、大韓民国(韓国)と隣り合っている。東シナ海を挟んでは中国大陸および台湾島と隣り合っている。また、南側で太平洋〈フィリピン海〉を隔てて米領北マリアナ諸島と隣り合っている。
日本の周辺は全て海であり、島国である。そのため他国と陸上において接していない。周辺は海であるが、樺太が日本本土から43キロメートル[1]の位置にあり、ロシアが日本から一番近い他国の領土である。[1]
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