アイルランド旅行特集記事|聖パトリック・デー 【アイルランド旅行専門ユーツアーズ】
3月17日は「セントパトリック・デー( St Patrick's Day )」。5世紀に活躍したアイルランドの守護聖人・聖パトリックを記念したアイルランドのナショナルデーとも言える祝日です。
セントパトリックデーのお祝いがいつ、どのように始まったのかははっきりしていません。けれども、聖パトリックが亡くなった直後から、その命日である3月17日は、彼を記念する大事な日とされていたようです。それから15世紀以上経った現在、この日は、アイルランド本国のみならず世界中でお祝いされています。特に、ニューヨークやボストン、シカゴなど、アメリカのパレードが盛大なことで有名です。
実は、セントパトリックデーを祝う賑やかなお祭りは、アイルランドよりもアメリカの方が長い歴史を持っています。アイルランドからアメリカに移り住んだ人たちにとって、3月17日は、故郷を偲び、アイルランド人であることを誇りに思う日だったのです。 記録に残っている中で最も古いお祭りは、1762年にボストンで開催されました。そしてその4年後、ニューヨークで初のセントパトリックデー・パレードが行われました。それ以来、アイルランド系移民を中心に、アメリカ各地で華やかなイベントが行われています。
カイヤホガフォールズ、オハイオ州の歴史的な教会
では、アイルランドでのセントパトリックデーとは一体どんなものなのでしょう??
アイルランドでのセントパトリックデーは、時代によって、そしてイベントの主催者によって、いろいろな表情を持ってきました。
リック·ジャクソンウィチタは、TXを下回る
イングランドがアイルランドを征服していた頃、支配者たちは、アイルランドをまとめるのにこの日を利用しようとしました。国のシンボル的存在であった聖パトリックを記念した、公式のイベントを開催することで、アイルランド人の支持を得ようと考えたのです。ところが、実際に行ったイベントは、イングランド軍によるパレードと、貴族たちを招いたダブリン城での豪勢な晩餐会。結局は支配者の力を見せつけるだけで、一般の貧しいアイルランド人の心をつかむことはありませんでした。彼らはこの日、教会でミサに参列し、その後パブに行くなどして過ごしていました。
19世紀末〜20世紀初め、自治・独立に向けた運動が活発になってくると、この日は政治的な意味を持ち始めます。支配に反抗する義勇軍のパレードが行われたり、政治集会が開かれたりしました。
素晴らしさが低下
1922年、ついに独立を果たしたアイルランド。それによって初めてアイルランド軍が結成され、毎年3月17日に、ダブリンのパレードで披露されるようになりました。 また、カトリック教会の力が強かったことから、当時のセントパトリックデーは宗教的な意味の強いものでした。新政府の閣僚は揃ってミサに出席。パブや酒屋の営業は禁止され、国民にとっては静かな日となりました。
1950年代に入ると、経済政策とセントパトリックデーのお祝いが結びつきます。キーワードは "Buy Irish" 。軍隊に代わって国の産業や商業が主役になり、ダブリンのパレードはアイルランド製品を宣伝する機会になりました。
shohola滝旅館
どのようにキリスト教はアメリカの影響を受けています
観光業が伸びつつあった1970年、収入増加を狙って、ダブリン観光局がセントパトリックデー・パレードの企画を始めました。ターゲットになったのはアイルランド系アメリカ人。アメリカからマーチングバンドなどを招待して、かつてないほど賑やかなパレード作りに成功。アメリカからの観光客もたくさんやってきました。ところが、あまりにアメリカ重視になったため、地元の人たちを無視する結果となってしまいました。
そこで1996年から、政府主導で「セントパトリック・フェスティヴァル」というプロジェクトが始まりました。これは、地元の人々が参加して、国内外の誰もが楽しめるようなエンターテインメントをつくり上げよう、というものです。さまざまなイベントが数日間に渡って繰り広げられる中、もちろん目玉はセントパトリックデー当日に行われるパレード。国内各地の子どもたちやアーティストが中心となり、海外からの参加者も招いて、カラフルなストリート・パフォーマンスがダブリンの街を彩ります。
実はこの ダブリンで行われる「セントパトリック・フェスティヴァル・パレード」は面白いことに 、日本やアメリカのパレードよりも「緑」やシャムロックなどのシンボルを重視していないかもしれません。そういったものよりも、現代文化・カラフルなストリートパフォーマンス・芸術を重視しているようですが、伝統音楽やダンスのイベント等もたくさん催されています。
スーフォールズアーガスリーダー、 s.d.
また、ダブリン以外でもたくさんの町でパレードが行われ、国中がお祭りになります。これらはそれぞれの町で企画・運営されるもので、小さな町では地域の産業や商店、学校等が中心となった地域のお祭・家族のお祭りといった雰囲気です。
敬虔なキリスト教徒にとっては、ミサに行くことももちろん欠かせません。もっとも、1961年にパブの閉鎖が解禁されたおかげで、多くの人たちにとっては 「drinking day」 という側面が強いようですが…!?!
3月17日、セントパトリックデー。アイルランドのナショナルデー。
アイルランド国民と、アイルランドを訪れる人々が共に祝うだけでなく、移民やアイルランド文化の広がりによって、世界中でお祝いされています。
この日は、「誰もがアイリッシュになれる日」と言われています。
世界の誰もが一緒になって楽しめる、お祭りの日なのです!
0 コメント:
コメントを投稿