ここで、ギリシャのコザニの街は何ですか?
ブログテーマ[ギリシャ]|RAKUEN QUES†
ダフニの船着き場あたり。
ダフニで船を降りると、すぐさま広場で客待ちしていたバスに乗り込んだ。フェリーに乗っていた巡礼者たちの大半は首都のカリエスへ行くみたいで、バスはあっという間に満席となった。港でちんたらしてたら、席を確保できなかったな。危ういところだったわい。
バスはつづら折りの坂道をぐんぐん登って行った。坂を登り切ると今度は周囲を枯れ木に覆われた山道を進んでいく。単調な景色を眺めていると、いつの間にか眠ってしまった。目を覚ましてしばらくすると、周囲に生えていた木々が姿を消し、急に視界が開けた。カリエスに到着したのだ。
アトス自治修道士共和国の首都カリエス。
カリエスは一応アトスの首都ということになるんだけど、街と呼ぶにはあまりにもこじんまりとしすぎていた。はっきりいってギリシャの山の中にある小さな村といった趣である。
カリエスには宿やカフェ、雑貨屋が数軒あった。アトスに入ったとはいえ、まだまだ我々の世界と近い匂いを感じる。雑貨屋を覗いてみるとテッサロニキやウラノポリのそれと全く同じような感じで、食料品から酒、たばこなどなんでも揃っていた。値段も特に高いということはない。
アトスには猫が多い。しかしこれ全部オスなのかな?1匹1匹ひっくり返して確認したくなるな。
時刻は既に12時を過ぎていたので、さっさと巡礼を開始することにする。各修道院は日没とともに門を閉じてしまい、そうなるともう絶対扉を開けてくれないというのだ。現在は冬なので午後5時には日が暮れるだろう。あんまりのんびりしていると本日宿泊予定の修道院に泊まれなくなってしまう。
まずカリエスにある、アトスで最も古い建築物といわれているプロタトンという教会へ行ってみた。バスが到着した広場から、歩いてすぐである。このプロタトンは典型的な中期ビザンティン様式の内接十字型教会堂ということらしいが、そんなこといわれてもはっきりいってよくわからない。しかも目下改修中らしく、外壁にも内部にも鉄骨が組まれていて、ちょっと興がそがれる気分だ。
プロタトン外壁のフレスコ画。
中には数人の巡礼者と修道士がいたものの、皆一様に押し黙っており静かだ。あんまりニヤニヤしていると不興を買ってしまう恐れがあるので、私も心持ちむすっとした表情で壁面を飾るフレスコ画を見てまわる。ふむふむ。
プロタトンを出てさらに道を進んでいった。地図を見るとこの近くに修道院があるようなので、そこに寄ってみることにしたのだ。石畳が敷き詰められた道の脇には石造りの建物が点々と建ち並んでいる。建物の屋根は赤や橙色の瓦で葺かれており、そこからにょきっと煙突が突き出ている。まるで中世の頃から変わっていないかのような、味わい深い風景だ。
眼下に海を見ながら山道を歩いていくと、巨大な建造物が姿を現した。クトゥルムシウ修道院だ。門を潜ると周囲をぐるりと建物に囲まれた中庭に出た。中庭には聖堂など数軒の建物が建っていた。周囲の建物は修道士たちの住居だろうか。ちょっとアパートみたいな外観だ。
クトゥルムシウ修道院。
ちょうど近くにいた修道士に聖堂内部へ入れてもらう。ここもプロタトン同様、壁面や天井はフレスコ画で埋めつくされていた。写真を撮ってもいいか訊ねる(普通は撮影禁止なのだが、一番手前の控室みたいなところだったので)と、1~2枚ならいいと言う。有り難く1枚撮らせてもらう。
色鮮やかなフレスコ画がぎっしり。
オーストリアのモットーは何ですか
聖堂の奥へ通じる扉は閉ざされていた。さきの修道士がノックしてくれたが、なんの反応もない。中に人がいるらしいのだが。昼寝でもしているんだろうか。残念だが仕方がない。先へ進むとしよう。
カリエスへ戻って街道を東へ進む。本日は半島東岸にある修道院に泊まる予定なのだ。道は今のところきちんと舗装されているし天気もいいし、歩いていて気持ちがいい。時折視界が開け海が見えるが、まだまだ東岸は遠そうだ。まあ気長に歩くか。カリエスにいたおっさんに聞いたら、大体1時間ぐらいで着くって言ってたんで、大したこたーない。
歩いていても誰ともすれ違わない。今時歩いて巡礼する人はあんまりいないのだろうか。車もほとんど通らない。静かな山の中を歩いていく。段々暑くなってきた。
アトスの国章は東ローマ帝国の国章、双頭の鷲だ。
東岸の修道院は思ったより遠かった。もうすぐ海へ出そうだと思っても、道はまた山の方へ蛇行していく。道を間違っているんじゃないかと不安になること多々。ついつい海へ出られそうな脇道へ入ってしまって、その先で行き止まりにぶち当たって愕然としたりする。
結局1時間半かかってようやくスタヴロニキタ修道院に到着した。道が正しいのか不安だったこともあり、修道院が姿を現した時は本当にほっとした。
スタヴロニキタ修道院はエーゲ海を睨むように聳え立っていた。アトスにある修道院の中ではかなり小さい部類に入るらしいが、中世ヨーロッパの砦のようで格好いい。
格好いいなあ。水道橋(?)がいい!
修道院の隣には畑が広がっている。立派なあごひげをたくわえた黒ずくめの修道士が、ヤンマーのコンバインなんかに乗ってたら、さぞやものすごい眺めだと思われるが、残念ながらさにあらず。修道士の生活を補助する人々がちゃんといて、そういった雑務に携わっているみたいだ。
拷問器具、じゃなくて、定時に修道士が木槌で叩く板と金具。
なぜそれが唯一の星の状態と呼ばれ
当初はここから南にあるイヴィロン修道院まで行こうと思ってたのだが、だいぶ日が傾いてきている。今夜はここに泊めてもらった方がいいかな。ちょうど修道院の中庭に修道士がいたので、お願いしてみた。
「すみません。今日ここに泊めていただけませんか?」
「電話予約はされましたか?」
「してないんですけど・・・」
「あなたはオーソドックスですか?」
「いえ、仏教徒です」
「ちょっと待っててください。ファーザーに聞いてきます」
予想外に英語がペラペラの修道士はそう私に告げると、建物の中へ消えていった。
そのへんの石段に腰かけて待つことしばし、件の修道士が戻ってきてこう言った。
「もうしわけありませんが、お泊めすることはできないとのことです」
「そうですか・・・。わかりました」
オニ!アクマ!てめぇらの血は何色だ?私がオーソドックスだったら泊めてくれたのかなあ?もちろん予約してないこちらに落ち度があるんだけど、正直ちょっと冷たいよなあと思ってしまう。
大体どの修道院にもある水汲み場。ここで水を補充。
結局予定通りイヴィロン修道院へ行くことになった。スタヴロニキタから標識に従って海岸沿いの小道を進んでいく。今までのきちっと整備された広い道とはうって変わって、完全にトレッキングの様相を呈してきた。まわりには木々や藪が欝蒼と茂り、羽虫がブーンブーンと音を立てながら飛んでいる。そこをうーんうーんと唸りながら歩く。
トレッキングっすね。
遠く海へ突き出た岬に、なにやら建物が建っているのが見える。とりあえずそこを目指し、藪を掻き分け、岩場を登り、砂浜を歩く。別にハードな道ではないが、アップダウンが多いので膝を壊しそうでちょっと怖い。私の膝はガラス製なのだ。
遠いなあ・・・。
トトロとかいねぇかなぁ・・・。
岬を越えるとその先に港が見えた。たぶんあれがイヴィロン修道院だろう。日が暮れる前に辿り着かないと。ちょっと焦ったが、岬から修道院は割とすぐだった。太陽が山際に隠れそうになった頃、無事到着。はぁ~、よかったよかった。・・・って、ここで宿泊を断られたらどーすんだ、おい?カリエスまで戻るのか?
イヴィロン修道院の港。
イヴィロン修道院。写真右上にクレーンが見える。改修中の修道院は多いのだ。結構金回りがいいんだな。
門を潜り中庭へ入ると、年若い修道士が近づいてきた。そして穏やかなな笑みを浮かべながら話かけてきた。
「これから礼拝をやるからね。それから夕食だから」
「あの・・・、今着いたばっかりなんですけど、今晩泊めてもらえますか?」
「もちろんだよ!夕食が終わったら部屋に案内するからね」
ちょっとだけだったら胸とか触らせてあげてもいいなと思えるぐらいうれしかった。スタヴロニキタの冷血修道士たちとはえらい違いだ。また話が長くなってきたので、今回はこのへんでおしまい。
ほいじゃ、また。
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